怪盗シネマ

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2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

意識が見る永い夢の先/柴田勝家「ヒト夜の永い夢」ネタバレなしレビュー

柴田勝家「ヒト夜の永い夢」(ハヤカワ文庫JA)、2019年。 いわゆる「伊藤計劃以降」と呼ばれ、事実伊藤計劃に影響を受けたと公言する異形の(笑)SF作家柴田勝家の手になる一大伝奇大作。(どの辺が異形かというと、まず柴田勝家であるし、柴田勝家なのに…

最も説得力のある宇宙を描く作家が描く「海」 小川一水「群青神殿」レビュー(ネタバレなし)

小川一水「群青神殿」ハヤカワ文庫JA、2019年。 今年の頭に超大作「天冥の標」全10巻を完結させたSF作家小川一水が、2002年にソノラマ文庫から出したタイトルの復刊。 「小川一水の描く『海』『空』『陸』」という帯で、今作の他にも「疾走!千マイル急…

「最低。」レビュー

© 2017 KADOKAWA 瀬々敬久監督(「ヘブンズストーリー」「ロクヨン」) 出演:森口彩乃 佐々木心音 山田愛奈 高岡早紀 ほか。 人気AV女優でもあったタレント紗倉まなの小説作品「最低。」の映画化。 「AV」と関わりを持つ3人の女性の物語。一人は人気AV女…

【北欧ミステリ】アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム『ボックス21』ネタバレなしレビュー

『ボックス21』アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム 早川書房、2017年。 『熊と踊れ』で「このミス」1位も獲得している実力派アンデシュ・ルースルンドとベリエ・ヘルストレムとの共著である警察小説シリーズ「グレーンス警部」シリーズの2…

冴えカノ♭8話が神回すぎて書かずにいられない/「冴えない彼女の育て方」

©2017 丸戸史明・深崎暮人・KADOKAWA ファンタジア文庫刊/冴えない♭な製作委員会 いわゆる神回である。 テレビの前で萌え悶えたのはいつぶりだろうか。 「冴えない彼女の育て方♭」第8話の話である。 現在BS11深夜0時30分より放映中の「冴えない彼女の育て…