怪盗シネマ

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お前のすい臓を喰ってやる。映画「ヴェノム」について予習。

11月2日(金)全国公開となる、新たなマーベル映画「ヴェノム」。

劇場で今作のダークすぎる予告編を目にして、「ヴェノムって何者?」と疑問に思う方もいることと思います。

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人間型をしていながら、ヴィランというよりモンスターそのものといった凶悪な造型にファンも多いキャラクターです。

この記事では、来るべき「ヴェノム」公開に備えて、ヴェノムとは何者なのかをざっくり書いていきます。

 

「ヴェノム」とは?

ヴェノムはもともと「スパイダーマン」に登場するヴィラン(悪役)です。

多くのシリーズが存在するスパイダーマンにおいて様々な解釈が存在しますが、共通しているのは

・宇宙から飛来し、宿主に取り付く共生生物(シンビオート)であること

・取りつかれたものは黒いスーツのようにシンビオートを身にまとい、強大な力を手に入れる

・ただし、自分の意思とは無関係に力を振るいはじめ、自身でのコントロールを失っていく

・人の感情を増幅させるが、多くの場合は宿主の憎しみを増大させ犯罪行為や暴力にかりたてる

という描かれ方がなされます。

映画初登場となった「スパイダーマン3」でもやはりスーツに黒い共生体が取り付き、主人公ピーターは黒いスパイダーマンとして強大な力を手に入れますが、抑制を失い恋人をも傷つけることになります。

その後、スパイダーマンを憎む記者エディ・ブロックへと取り付き、ヴェノムとして誕生、スパイダーマンと激闘を繰り広げます。

 

映画「ヴェノム」では

コミックでも映画でも、シンビオートに取り付かれヴェノムへと変身するのはエディ・ブロックという新聞記者です。

「スパイダーマン」ではスパイダーマンに対して逆恨みの憎しみを抱いていた人物でした。

映画「ヴェノム」でもやはりヴェノムとなるのはこのエディ・ブロックという記者のようです。

しかし設定はかなり異なるようで、エディは「社会の闇」を追う正義の記者のようです。

シンビオートを研究する組織を追っていたエディが、なにかの理由でシンビオートに取り付かれ、ヴェノムへと変貌します。

今作のヴェノムの一人称は「We(俺たち)」。

エディとシンビオートの共生体であることを表しています。

ヴェノムとなったエディは全身から黒い触手のような細胞を伸ばし、敵を吹き飛ばしたり身を守ります。

この黒い細胞が全身を覆うことであたかもスーツを着たような見た目となり、凶悪なヴェノムの姿となります。

敵に対し「その目玉、肺、すい臓、全部喰ってやる」と、「君のすい臓を食べたい」とは意味のかけ離れた残虐発言をするアンチヒーローっぷり。

エディは残虐な行為を抑制しようと努めながらも、その圧倒的な力の万能感に次第に取り込まれていくようです。

 

増殖するシンビオート

コミック「スパイダーマン」では、シンビオートは無性生殖によりその数を増やす存在として描かれています。

初代ヴェノムから生まれた新たなシンビオートに取り付かれたキャラクターに、連続殺人鬼「カーネイジ」や、警官に取り付いた「トキシン」などがいます。

既に今作の敵役として「人造シンビオート」ライオットの登場が明かされています。

さらに予告編を見ると、女性がシンビオートらしき細胞を刃物状に出現させているカットがあり、もしかしたら他のシンビオートも登場するのかもしれません。

「赤いヴェノム」ともいうべきカーネイジの登場も期待されていますね。

 

スパイダーマンの登場は?

ヴェノムときいてファンが何より気にしているのはスパイダーマンは登場するのかという点でしょう。

これについて監督と主演トム・ハーディは「前向き」であることを示すにとどまっています、

当初この映画はソニー・ピクチャーズが権利を保有するマーベル作品による独自のユニバースの創始を企図して作られた映画でした。

しかし「スパイダーマン ホームカミング」にてマーベル・スタジオと共同してシリーズをリブートしたこともあり、プロデューサーが「この作品はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の付属品」と発言するなど、今後の関連を匂わす発言も目立ちます。

この流れからすれば、いずれ何かの形でスパイダーマンやMCUとの実写でのクロスオーバーも見ることができるのではないかと期待しています。

 

ともあれ、「ヴェノム」は単独作品としても異色すぎるビジュアルとアクションを誇るダークヒーロー映画であることは間違いないでしょう。

今後の展開に注目しつつ、11月2日(金)の公開を待ちましょう!