こんなブログを立ち上げておいてなんですが、僕は映画に関してド素人です。
映画自体は小さな頃から気の向くままに見てきましたので俳優なんかはそこそこわかるつもりですが、裏方の仕事などにはほとんど関心も持たず、ぼへらーっと見てきたので、映画に関する基本的な役職やら業界のことをほとんどスルーしてきました。
なので「この撮影監督の技術が!」とか「今回はプロデューサーがいい仕事した」とか、そういういかにもなオタクトークができないんですね。
せっかく映画ブログはじめたのにこれは悔しい!
ということで、この機会に(?)何回かに分けて映画の常識的な事柄について、池上彰的にほんとの初歩から調べてまとめてみようと思います。
第1回は『「製作総指揮」とはなんぞや?』です
映画における「制作総指揮」
よく映画の予告を見ると、デカデカと「製作総指揮スティーブン・スピルバーグ」とかうたわれてますよね。
この「製作総指揮」は一体何をする人なのか?
ちなみに「製作」とは一般的にプロデューサーのことを指すようです。
では「製作総指揮」は文字通りプロデューサーを指揮する立場?
この解答は当たらずとも遠からずといったところのようです。
「製作総指揮」は、横文字にすると「エグゼクティブプロデューサー」となりますが、この役職は映画に限らず、音楽やテレビ番組にも存在します。
それぞれの業界で「エグゼクティブプロデューサー」の役割はかなり違うようですが、ここでは映画に絞って話をしていきます。
「制作総指揮」=出資者
映画製作における「製作総指揮」の立場とは、おおむね「主な出資者」であることが多いようです。
「おおむね」というのは、やはり作品によって役割にかなり幅があり、出資だけして作品にはノータッチな人、作品についての権利を持っていて名前だけ貸している人もいれば、作品についてかなり口出しする人もいるようです。
製作総指揮というだけあって権限は大きく、監督含めキャストやスタッフに関する決定権も持ちます。
さきほど例にあげたスティーブン・スピルバーグについては、例えば「ジュラシックパーク」では監督を務めましたが、近年の「ジュラシックワールド」シリーズでは製作総指揮としてクレジットされています。
ここでは大まかな構想やイメージを元に監督の選出などには関わっているみたいですが、立場としては出資者兼名義貸しの意味合いが強いようですね。
例え直接製作に関わっていなくても、スピルバーグがバックについてるという安心感がプロモーションにも効果的なんでしょう。
口を出す「制作総指揮」
日本でパッと思いつくのは、「ワンピース」の劇場版ですね。
途中の作品から原作者尾田栄一郎が「製作総指揮」として関わることが発表され、作風も変化していきました。
これについては尾田栄一郎は製作全般にわたってかなり関わり、またストーリー原案や設定画も提出するなど、「製作総指揮」を文字通りに体現するような活躍をしたようです。(ここまでいくと「プロデューサー」そのものという感もありますが)
このワンピース劇場版以降、ジャンプ系アニメ劇場版では「ドラゴンボール」で鳥山明が、「BORUTO」で岸本斉史が製作総指揮にクレジットされるなど、原作者を製作総指揮として大々的に打ち出して作品の質を担保しよう、というふうにも取れるプロモーション手法が目立ってきたように思います。
特に漫画原作の劇場版アニメでは原作と違うオリジナルストーリーになることが多いため違和感を感じる原作ファンも多く、原作者をバーンと制作総指揮として打ち出すことでそういったファン層を取り込むことも狙っているのかもしれません。
この「製作総指揮」という肩書、「大仰な響きだけど特に具体的に何やる人か決まっていない」というところがミソで、映画そのものに関しては素人のはずの大御所を作品にクレジットするのに役立つんでしょう。
このように、同じ映画業界の「製作総指揮」でも、日本とハリウッドで、また実写とアニメでも意味合いが微妙に違うようです。
制作総指揮、ほとんど指揮ってないじゃん!
という感想は置いておくとして。
基本的には作品のパトロンのような立ち位置をとりつつ、大御所や実績のある人物がつく場合には、作品のクオリティの「裏打ち」的存在としてプロモーションでも大々的に打ち出される役割というところでしょうか。
しかし資金不足の小さなプロジェクトではほとんど下働きみたいな役回りをする「製作総指揮」もいるそうなので、本当に千差万別なようです。
まとめ
映画における「製作総指揮」とは
・その作品への主な出資者
・大御所監督の名義貸し
・作品にはノータッチの場合も多いが、人事などに絶大な権限を持つ
・原作者など、たまに製作にがっつり関わる人もいる
次回も映画製作に関わる役職についての基礎の基礎を見ていきたいと思いますので、よろしければご一読ください。
それでは。